設計・定着 ・ 約8分
AI研修の設計手順|業務棚卸しからカリキュラムを作る
既製のカリキュラムを買っても現場は変わりません。まず業務を棚卸しして「AIに任せられる工程」を特定し、そこから逆算して研修内容を決める手順を、実際の進め方に沿って解説します。
まず結論
カリキュラムを選ぶ前に、受講者の業務を棚卸ししてください
既製のカリキュラムを買っても現場は変わりません。順番は業務の棚卸し → AIに任せられる工程の特定 → そこから逆算した研修設計です。「生成AIの基礎」から始めるカリキュラムが多いですが、受講者が自分の業務のどこで使うかを見つけられなければ、翌日から使われません。
ステップ1:業務の棚卸し
受講予定者に、事前課題として次を書き出してもらいます。
- 週に3時間以上かけている作業を3つ
- それぞれ、何にどれだけ時間がかかっているか
- 面倒だと感じている工程
この事前課題があるかどうかで、研修の成果が大きく変わります。 自分の業務と結びつかない演習は、その場で終わります。書き出しは5〜10分で終わる分量にしてください。
ステップ2:AIに任せられる工程を見分ける
| 工程の性質 | AIとの相性 | 例 |
|---|---|---|
| 文章を書く・整える | 非常に良い | 提案書、報告書、メール、議事録 |
| 大量の情報を整理する | 良い | 資料の要約、比較表の作成 |
| 案を複数出す | 良い | 企画案、タイトル案、改善案 |
| 形式を変換する | 良い | 箇条書き→文章、文章→表 |
| 正確な計算 | 向かない | 集計、決算数値 |
| 最新の事実確認 | 向かない | 法令、価格、在庫 |
| 責任を伴う判断 | 向かない | 採用の合否、与信、医療判断 |
ステップ3:カリキュラムに落とす
棚卸しの結果から、10〜12時間のカリキュラムを組みます。
| 時間 | 内容 | ねらい |
|---|---|---|
| 1〜2h | 仕組みの理解と情報の取り扱い | 何を入力してよいかの判断軸をつくる |
| 3〜5h | 基本のプロンプト演習 | 型を身につける(5つの要素) |
| 6〜8h | 自分の業務での演習 | 事前課題で挙げた作業を実際にやる |
| 9〜10h | 成果の共有と質疑 | 他部門の使い方を知る |
| 11〜12h | (2回目)実務で試した結果の持ち寄り | 定着 |
6〜8時間目が最も重要です。ここで自分の業務を扱わないと、研修後に「で、何に使えばいいのか」となります。
分割するかどうか
1日で終えるより、2〜3回に分けて間に実務期間を挟むほうが定着します。
- 1回目と2回目の間隔は2〜4週間
- 2回目は「試してうまくいかなかったこと」を持ち寄る場にする
- 助成金を使う場合、合計10時間以上あれば分割は問題ありません
詳しくは何回に分けるべきかで解説しています。
設計で外しやすい点
| やりがちなこと | 起きること |
|---|---|
| ツールの操作説明に時間を使う | 操作は覚えても業務が変わらない |
| 全部門を1クラスにまとめる | 演習が抽象的になり、誰にも刺さらない |
| アカウントを当日発行する | 最初の1時間が設定作業で消える |
| ガイドラインなしで実施する | 入力してよい情報の判断が個人任せになる |
事前準備の一覧は研修の前に会社側が準備すること、ガイドラインは最低限決める7項目にまとめています。
当社では業務棚卸しのシートをお渡ししたうえで、その結果に合わせてカリキュラムを組んでいます。カリキュラム例と無料相談をご覧ください。
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よくある質問
この記事に関するよくある質問
AI研修のカリキュラムは何から決めればいいですか?
受講者の業務棚卸しからです。どの工程に何時間かかっているかを洗い出し、AIで短縮できる工程を特定してから内容を決めます。
研修時間はどれくらい必要ですか?
助成金を使うなら10時間以上が要件です。定着の観点では、1回で終えず2〜3回に分けて間に実務期間を挟む設計が効果的です。
全社一斉と部門別、どちらがいいですか?
まず全社共通のリテラシーを揃え、その後に部門別へ広げる二段構えが効率的です。
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